気管支学
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Heerfordt 症候群の 1 例
古森 雅志松元 幸一郎柴田 和美相沢 久道原 信之
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1998 年 20 巻 5 号 p. 449-453

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抄録

サルコイドーシスに, 耳下腺腫脹, 顔面神経障害, ぶどう膜炎を伴うものはHeerfordt症候群と呼ばれ, 稀な症候群である。我々は完全型のHeerfordt症候群の1例を経験した。症例は32歳の女性で全身倦怠感と霧視が出現し, 2ヵ月後に左顔面神経麻痺が出現した。眼科でぶどう膜炎, 胸部X線写真にて両側肺門部腫脹を指摘され, サルコイドーシスの疑いで当科に入院した。入院時, 発熱あり, 左末梢性顔面神経麻痺と耳下腺腫脹が認められた。胸部X線写真, CTで両側肺門リンパ節の腫大を認め, ^<67>Ga-citrateシンチグラムで両側の眼窩, 両耳下腺, 顎下腺, 肺門, 縦隔に異常集積を認めた。TBLBでは組織学的診断に至らなかったが, BALF中のリンパ球数の著増, CD4/CD8の上昇を認め, Heerfordt症候群を呈したサルコイドーシスと診断した。プレドニゾロン投与により各臨床症状の改善が認められ, 外来にて経過観察中である。

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© 1998 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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