抄録
気管支鏡検査中, 細胞診用ブラシの破損を経験した。71歳男性に対し, 胸部X線写真上右側無気肺像精査の目的で気管支鏡検査施行。右中葉支よりアプローチし擦過細胞診を施行後, ブラシの破損に気がついた。ブラシ先端は気管壁に粘液と共に付着しており, 気管支鏡下に生検鉗子にて摘出した。使用したブラシは再使用可能なもので使用回数は不明であるが, 金属疲労していた可能性がある。再使用可能なブラシでも長期間の繰り返しの使用は危険であり, 定期的に交換すべきと考えられた。ブラシの破損は稀であるが, 注意深い器具の管理を行うことにより医原性の気道内異物を減らすことができると思われた。