2001 年 23 巻 2 号 p. 157-160
症例は56歳女性。咳, 発熱と労作時呼吸難にて当院受診。動脈血酸素分圧の低下とともに胸部CTにてびまん性粒状陰影を認めた。7年間のセキセイインコの飼育歴があり, 気管支鏡検査にて気管支肺胞洗浄液でのリンパ球の増多および経気管支肺生検で胞隔炎を認めた。環境誘発試験も陽性であり, インコ糞との沈降抗体反応が陽性で, インコによる過敏性肺臓炎(鳥飼病)と診断した。過敏性肺臓炎は慢性化すると肺線維症となる事もあるため, 早期の適切な診断が大切であると思われる。本疾患の診断に気管支鏡検査は有用であるが, 得られる情報には限界もあり, 鳥類飼育歴に留意しての総合的な判断が大切であろう。