気管支学
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CT検診と禁煙支援 : 1次・2次・3次予防一体型検診の意義
繁田 正子中澤 敦子内匠 千恵子平岡 範也大野 聖子中山 昌彦吉川 敏一小笹 晃太郎渡邊 能行
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2002 年 24 巻 1 号 p. 34-39

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抄録
肺癌死減少をめざす取り組みとしては, 早期発見(2次予防)早期治療(3次予防)もさることながら, 発生予防(1次予防)が最も有効かつ低コストである.そこで胸部CT検診(2次予防)と喫煙対策(1次予防)を平行して行った.まず検査当日の診察時やCTの結果説明時に禁煙支援を行った.リーフレットや講演会などを通じて集団全体へ喫煙問題に関する知識の周知を図った.また肺気腫症などに対する治療(3次予防)や禁煙支援は検診と直結させた外来で行った.この1次・2次・3次予防一体型胸部CT検診の有用性をみるため, 呼気中一酸化炭素濃度(CO)測定などを加えて支援した群(61人)と基本的支援のみの群(58人)の1年後禁煙率を比較した.次にドック友の会会員として1998年度に総合検診を受けた400人を対象に, 喫煙状況を検討した.結果はCO測定などを加えた群の禁煙率は18%, 加えていない群でも16%と通常の支援に比して明らかに高い禁煙率となった.友の会会員の喫煙率は導入前の40%から4年で29%まで低下した.導入前4年と, 禁煙率を比較すると有意(p<0.05)に導入後の禁煙率が高かった.胸部CT検診と禁煙支援や総合的喫煙対策の一体化は有意義で, 実施施設の増加が望まれる.(気管支学.2002;24 : 34-39)
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© 2002 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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