気管支学
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気道狭窄に対するDumon stentとUltraflex stent留置症例における合併症の比較検討(<特集>気道狭窄に対する気管支鏡下治療)
延山 誠一川口 知哉小牟田 清向内 千佳坂巻 靖城戸 哲夫小川原 光正河原 正明重村 周文明石 章則
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2004 年 26 巻 2 号 p. 132-137

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抄録

背景.中枢性気道狭窄に対する気道拡張術として様々な種類のステント留置が試みられてきている.その中心はDumon stentとUltraflex stentの2種に収束してきているが,その適応は未だ確立していない.目的・方法.今回我々はDumon stent,Ultraflex stent使用例に対し基礎疾患,合併症について検討を行った.症例は1995年3月から2002年12月までに経験したステント留置症例30例,35ステントを対象とした.使用ステントの内訳はDumon stentが19例,Ultraflex stentが14例であった.基礎疾患として悪性疾患25例:非小細胞肺癌17例,小細胞肺癌1例,食道癌5例,甲状腺癌2例,良性疾患5例:気管支結核1例,気管気管支軟骨軟化症3例,気管気管支軟骨形成症1例であった.結果.合併症で最も多いのが去痰困難でDumon stentで15例(79%),Ultraflex stentで8例(66%)でありDumon stentに多く認められた.一方ステント内への腫瘍の浸潤,瘻孔形成,ステント留置位置の移動などの合併症はUltraflex stentに多く認められた.結論.排痰に対するメンテナンスが必要ではあるが長期留置が予想される症例においては入れ替え可能で破損のないDumon stentが推奨されると考えられた.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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