2004 年 26 巻 2 号 p. 178-182
背景.近年末梢孤立性病変の診断にvirtual bronchoscopy(以下VB)によるsimulationを併用した極細径気管支鏡を用いたCT透視下経気管支生検の有用性が報告されている.症例.症例は56歳女性.1983年より肺サルコイドーシスとして経過観察されており,肺野病変は自然軽快していた.2001年10月,右S^<10>aに径10mmの孤立性小結節影を指摘され,精査のため当科入院となった.VBによるsimulationと極細径気管支鏡を併用したCT透視下経気管支生検にて,非乾酪性肉芽腫が検出され,経過も併せてサルコイド結節と診断し,外科的処置を回避することが可能であった.結論.VBによるsimulationと極細径気管支鏡を併用したCT透視下経気管支生検は非常に有用であり,今後肺癌以外の疾患の診断に対しても期待される.