気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
肺癌終末期の気道狭窄症状緩和に,鼻マスク持続陽圧呼吸(nasal CPAP)が有用であった1例
井上 哲郎水口 正義前田 勇司馬庭 厚田口 善夫
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 26 巻 2 号 p. 174-177

詳細
抄録

背景.肺癌終末期の気道狭窄症状の緩和には難渋することが少なくない.症例.症例は66歳男性.1999年4月肺癌にて右上葉切除,2001年2月に再発,2001年11月には気道狭窄による喘鳴が著明となり入院となった.鼻マスク持続陽圧呼吸(nasal CPAP)を使用したところ,喘鳴は改善し比較的楽な呼吸状態で死亡までの約2週間を過ごせた.剖検では腫大した上縦隔リンパ節が気管に穿通しており,これが強い気道狭窄症状の主因と考えられた.結論.肺癌終末期緩和医療の一手段としてnasal CPAPが有用であった.

著者関連情報
© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top