気管支学
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我が国における局所麻酔下胸腔鏡の現状(第27回日本呼吸器内視鏡学会総会 : シンポジウム1-6)
成島 道昭松石 純山下 潤鈴木一
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2004 年 26 巻 8 号 p. 711-716

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抄録

局所麻酔下胸腔鏡は胸膜疾患の診断に用いられ, 有用性が高いとの報告は多い. 今回国内の局所麻酔下胸腔鏡を実施している26施設に対し局所麻酔下胸腔鏡の現状についてアンケート調査を実施した. 施行目的では, 浸出性胸水貯留症例の診断目的が16施設と多く, 胸膜剥離などの治療も行っているのは9施設であった. 施行時期は, 胸水検査にて診断がつかない場合に行う施設が15施設と最も多く, また施行方法については専用スコープであるLTF-240を用いた方法を採用している施設が多かった. 施行成績では, 高い診断率を掲げる施設も多いが, 胸水検査にて診断がつかない場合に行う施設よりも比較的早期に本法を施行している施設に高い診断率が得られている傾向にあった. 実施数については月に1〜2症例の施設が多く, 未だその普及は過渡期である. 局所麻酔下胸腔鏡は, 胸膜疾患診断において呼吸器科医が行える比較的簡便で診断率の高い検査法であり, 専用スコープ以外に従来よりその使用に慣れているフレキシブル気管支鏡の本法への応用は, その普及のための現実的な有効手段と思われた.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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