気管支学
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小型肺癌における術前CTガイド下経皮肺穿刺細胞診の成績と問題点 : 特にすりガラス陰影を示す病変に対する評価(第27回日本呼吸器内視鏡学会総会 : シンポジウム2-1)
清水 克彦池田 徳彦坪井 正博平野 隆加藤 治文峠 哲哉
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2004 年 26 巻 8 号 p. 717-721

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抄録

目的. 近年CTの進歩により肺野に小型の結節影, 特に限局性すりガラス陰影(ground-glass opacity:以下GGO)を呈する病変が発見される頻度が増加しており, その治療方針に悩むことが多い. 東京医大針を用いたCTガイド下経皮肺穿刺細胞診(percutaneous CT-guided transthoracic biopsy:以下CTNB)の成績と問題点, 特にGGO病変に対する評価を検討する. 方法. 過去4年間に手術を行った腫瘍径2cm以下の小型肺癌151例のうち術前CTNBにて術前診断を得た96例を対象とした. 結果. CTNBの診断率は腫瘍径10mm以下:48.5%, 11〜15mm:62.5%, 16〜20mm:83.9%であった. 病変におけるGGOの占める割合が50%以上のGGO群43例, 49%以下のSolid群53例に分け検討したところ, Solid群では全体で75.6%, 10mm以下:62.5%, 11〜15mm:75%, 16〜20mm:86%の診断率だったのに対し, GGO群では全体で51.2%, 10mm以下:35.2%, 11〜15mm:50.0%, 16〜20mm:80.0%であり診断率に有意差を認めた. 主な合併症は気胸を30例, 34.4%に認めた. 考察. CTNBは小型肺癌に対する術前診断として有用であり, 危険性も認容範囲内である. 充実性の陰影に対しては高い診断率が得られるが, GGO優位で腫瘍径が15mm以下の病変に対しては, 確定診断が得られないことも多い.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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