気管支学
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安全で苦痛のない気管支鏡検査 : われわれのこれまでの取り組み(第27回日本呼吸器内視鏡学会総会 : シンポジウム3-3)
小田 誠松本 勲常塚 宣男呉 哲彦田村 昌也谷内 毅滝沢 昌也川上 和之太田 安彦渡邊 剛
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キーワード: 気管支鏡, 合併症, 鎮静, 安全性
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2004 年 26 巻 8 号 p. 740-742

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抄録

目的. われわれは苦痛のない気管支鏡検査の観点から本邦でもいち早く経静脈的sedationを導入してきた. 安全で苦痛のない気管支鏡検査へのわれわれのこれまでの取り組みを検討した. 対象と方法. Sedationの方法は1984年以降は塩酸ヒドロキシジンの筋注, 1994年以降はジアゼパムと塩酸ペチジン静注, 1996年以降はミダゾラム静注とフルマゼニル静注による拮抗, 1998年以降はミダゾラム静注のみとし, ミダゾラム投与量も年齢別に設定した. 抗菌薬は使用せず, 1998年6月からは硫酸アトロピンの使用を中止した. 1994年以降は, 検査前に静脈路の確保, パルスオキシメータの装着を行い, 経鼻的酸素投与を開始し, 明るい部屋で検査を行った. 2001年以降は文書にて患者に説明し, 全例に書面での同意承諾書を取得した. 結果. 1998年6月以降に気管支鏡検査を施行した1235例において, 重篤な感染, 硫酸アトロピン投与を要する症例は認めなかった. 検査途中での検査中止例は無意識下のあばれの9例, 出血(輸血例なし)の12例に認めた. まとめ. 現在のわれわれの気管支鏡検査法は安全性と患者への苦痛軽減から評価できるものと考える.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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