気管支学
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腔内超音波ガイド下TBNA : コンベックスタイプ超音波内視鏡と細径超音波プローブ法との比較検討(第27回日本呼吸器内視鏡学会総会 : プレナリーセッション2)
叶 康司栗本 典昭宮澤 輝臣岩本 康男宮津 由香石田 敦子河野 修興
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2004 年 26 巻 8 号 p. 766-771

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抄録

目的. ダブルチャネル気管支鏡を使用した腔内細径超音波(endobronchial ultrasonography, EBUS)ガイド下TBNA(transbronchial needle aspiration, ダブル群)とシングルチャネル気管支鏡を使用したEBUSガイド下TBNA(シングル群)とコンベックス型超音波内視鏡(endoscopic ultrasound, EUS群)の診断率についての比較検討を行った. 対象. ダブル群30例, シングル群25例, EUS群30例にTBNAを実施した. 方法. ダブル群:ダブルチャネル気骸鏡の2. 8mmのチャネルにEBUSプローブを挿入して穿刺部位を決定した. 19ゲージのTBNAカテーテルを2.0mmのチャネルに挿入して病変を穿刺後, EBUSプローブを穿刺部位まで誘導しリンパ節内の針を確認して生検した. シングル群:気管支鏡のチャネルにEBUSプローブを挿入して穿刺部位を決定後, EBUSプローブを抜いて, 19ゲージのTBNAカテーテルを挿入して生検した. EUS群:目標のリンパ節をリアルタイムに観察しながら22ゲージの針を穿刺して生検した. 結果. ダブル群ではリンパ節内の針は点状高エコーとして描出された. EUS群では針は線状高エコーとして描出された. 診断率(組織診+細胞診)は, ダブル群97%, シングル群76%, EUS群83%であり, ダブル群はシングル群に比べ有意に高い結果であった(p=0.025). 組織診のみの診断率はダブル群79%, シングル群68%, EUS群47%で, ダブル群はEUS群よりも有意に高い結果であった(p=0.01). 結語. ダブル群は組織針を使用できるため, 良性病変を含めた診断に有用であり迅速細胞診がない状況下で高い診断率を示す. EUSは真のリアルタイムガイダンスであり, ステージ分類や悪性疑いなどの細胞診が要求される場合に有用な方法である. 迅速細胞診や組織針の使用が可能になれば診断率がより上昇すると考えられる.

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© 2004 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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