気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
リアルタイム超音波ガイド下経気管支針吸引による原発性肺癌の縦隔リンパ節転移の診断 : 導入初期の経験から
大石 久桜田 晃岡田 克典佐藤 雅美山中 澄隆松田 安史宮本 彰菅原 崇史松村 輔二近藤 丘
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 27 巻 5 号 p. 361-366

詳細
抄録

背景・目的. 原発性肺癌の診療において, 縦隔リンパ節や肺門リンパ節への転移の有無を知ることは, 治療の決定において重要である. 我々はリアルタイム超音波ガイド下経気管支針吸引(real time endobronchial ultrasound-guided fine needle aspiration : 以下EBUS-FNA)を導入し, 原発性肺癌の縦隔, 肺門リンパ節転移の病理学的診断を施行したので, その結果を報告する. 対象. 2003年3月から2004年1月の間に, 当科にて縦隔, 肺門リンパ節に対し, EBUS-FNAを施行した19例の原発性肺癌症例. 結果. EBUS-FNA施行中, 施行後の合併症は認めなかった. 19例中EBUS-FNA陽性が8例, 陰性が11例であった. EBUS-FNA施行後の縦隔鏡検査や肺癌根治術で真の結果が判明した16症例における全22リンパ節にて, 検査精度について検討したところ, 感度は73%, 特異度は100%であった. ただし, #3のリンパ節における感度は25%, #3を除いた部位での感度は100%であった. 結論. EBUS-FNAは安全かつ正確に施行することができ, 結果も満足いくものであった. ただし, #3リンパ節に対しては技術的な工夫をして, 診断精度を向上させる必要がある.

著者関連情報
© 2005 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top