気管支学
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16. 診断・治療に苦慮した気管支原発神経鞘種の1例(第113回 日本呼吸器内視鏡学会関東支部会)
坂巻 美穂子武内 浩一郎森川 哲行打越 暁菊岡 健太郎石田 安代阿部 元前原 孝光山仲 一輝石川 善啓角田 幸雄長谷川 直樹
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2005 年 27 巻 5 号 p. 421-422

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抄録

神経鞘種はSchwann細胞より発生する良性腫瘍で末梢神経の存在するあらゆる部位に存在しうるが, 胸部では胸壁や後縦隔に好発し, 気管支や肺に発生することは極めて稀である. 本邦では呼吸器系神経鞘腫の報告は50例ほど, うち気管支原発は10数例に限られる. 今回我々は左主気管支に発生した神経鞘種の1例を経験したので報告する. 症例は60歳女性. 2004年4月頃より咳嗽自覚. 近医受診し気管支喘息の診断で加療するも, 2004年8月頃より労作時の息切れ自覚. レントゲン上左無気肺像を認めたため当科受診となった. 胸部CT上左主気管支に2cm大の腫瘤影認め, 気管支鏡にて粘膜下より膨隆する腫瘤を確認, 生検の結果平滑筋腫が疑われた. YAGレーザーによる治療を施行(Total 14000J). 一部気道開存, 無気肺改善したが, 再狭窄認めたため外科治療を選択. 左肺下葉管状切除+気管支形成を行った. 摘出標本の免疫染色でS-100陽性, 神経鞘種の診断に至った. 術後経過良好で現在再発無く外来通院中である.

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© 2005 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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