気管支学
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気管支内腔所見を認めた,HTLV-1キャリアーのT細胞性非ホジキンリンパ腫の1例
杉浦 寿彦小林 健北園 聡柴田 雅彦笠松 紀雄橋爪 一光籾木 茂
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2009 年 31 巻 5 号 p. 303-308

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抄録

背景.悪性リンパ腫で,気管・気管支内病変を呈するものはまれであるとされている.症例.58歳,男性.慢性咳嗽と血痰を主訴に当科受診.胸部X線,CT上縦隔リンパ節の腫大と,左主気管支の狭窄を認めた.気管支鏡施行したところ,気管分岐部は開大し,同部位から左主気管支にかけて,発赤した光沢のある粘膜に覆われた大小不同の結節状隆起が多発しているのが認められた.直視下に生検を行いT細胞性非ホジキンリンパ腫と診断した.HTLV-1陽性であり,臨床的には成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)とした.結語.気管支鏡にて病変を認めたHTLV-1キャリアーのT細胞性非ホジキンリンパ腫の1例を経験した.このような症例は極めてまれであり報告した.

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© 2009 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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