気管支学
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Endobronchial Metastasisを来した直腸癌と尿管癌の2例
小河原 大樹福田 実久冨 恵子元島 幸平夫津木 要二井上 啓爾小原 則博入江 準二道津 安正高谷 洋中村 洋一河野 茂
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2009 年 31 巻 6 号 p. 380-385

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抄録
背景.Endobronchial metastasisは他臓器からの転移性腫瘍が気管支内腔に進展する稀な病態であるが,内視鏡検査の普及に伴い報告も増えている.症例.82歳,男性.3年前に直腸癌手術の既往あり.咳嗽のため受診し,精査した.右肺尖部に2cm大の結節影と気管・右主気管支にポリープ状に腫瘍を認め,生検にて直腸癌転移と診断した.69歳,男性.8か月前に左尿管癌手術の既往あり.症状なかったが,経過観察の胸部CTにて多発肺結節影を認めた.右B^8が腫瘍で閉塞され,擦過細胞診にて左尿管癌転移と診断した.この2例は他臓器から気管支内腔への転移であるEndobronchial metastasisであった.原発巣として大腸は比較的頻度の高い臓器であり,尿管は我々の知る限り初めての報告例である.結論.Endobronchial metastasis2例を経験した.気管支内視鏡検査により原発性肺癌と鑑別が可能であった.
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© 2009 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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