抄録
背景.X線透視で確認できない末梢の小型肺野病変に対しては,CTガイド下経皮肺生検や胸腔鏡下肺生検が行われているが間質性肺炎合併例ではリスクが高い.症例.76歳,男性.間質性肺炎の経過中に両側下葉に1cm大の結節影が出現.ナビゲーションシステムと細径気管支鏡を併用したCTガイド下経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy;TBLB)を右肺結節影に対して施行し,肺腺癌の診断を得た.気管支鏡の標的気管支への到達にナビゲーションシステムを使用することで検査時間と被曝量を抑え,またCT併用によりX線透視では描出できない陰影に対し確実な病変への到達確認ができた.細径気管支鏡の使用により比較的容易に末梢の標的気管支に到達可能であり,通常の生検器具が使用できることから検体量も確保できた.結論.ナビゲーションシステムと細径気管支鏡を併用したCTガイド下TBLBは手技も容易であり,リスクを持つ末梢小型肺野病変の診断に有用と考えられる.