気管支学
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経気管支肺生検で診断したPulmonary Epithelioid Hemangioendotheliomaの1例
三輪 千尋渡辺 恭孝白石 守工藤 史明遠藤 俊輔小山 信一郎
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2010 年 32 巻 1 号 p. 72-77

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抄録
背景.Pulmonary epithelioid hemangioendothelioma(PEH)は,かつてintravascular bronchioloalveolar tumor(IVBAT)と呼ばれていた疾患で,血管内皮細胞由来の稀な疾患である.症例.29歳女性.5ヵ月前に結核の曝露歴があり他院で抗結核薬の予防内服をしていた.その後胸部X線,CTにおいて,両側びまん性に小結節影を認め,粟粒結核が疑われ抗結核薬4剤の投与を受けた.しかし,陰影の改善を認めず,喀痰検査でも結核菌は検出されず,転移性肺腫瘍なども疑われ確定診断のために経気管支肺生検(TBLB)を行った.その結果,PEHと診断された.結論.若年女性で胸部X線上,多発小結節影を認め,TBLBにてPEHと診断した.PEHは,TBLBで診断されることは稀であるが,免疫染色などを併用すれば,TBLBによる診断は低侵襲的であり有用であると考えられた.
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© 2010 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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