気管支学
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CTガイド下気管支鏡検査で確定診断が得られた類上皮血管内皮腫の1例
小山 良金子 昌弘土田 敬明楠本 昌彦田辺 裕子永易 希一高橋 和久
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2010 年 32 巻 1 号 p. 67-71

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抄録
背景.Computed tomography(CT)ガイド下気管支鏡検査で診断確定に至った類上皮血管内皮腫の症例を報告する.症例.67歳.女性.検診で左肺に結節影を指摘され,胸部CTで両肺野に多発する小結節影を認めた.CTガイド下経気管支肺生検を施行し,病理ではHE染色で類円形細胞を中心とした腫瘍細胞が索状の上皮様結合を示して増殖し,免疫染色でvimentinとCD34が陽性,cytokeratin AE1/AE3は陰性であり類上皮血管内皮腫(epithelioid hemangioendothelioma:EH)と診断した.定期的にCT検査を行い徐々に増大傾向を認めるが自覚症状はなく,経過観察をしている.結論.確定診断のために,過去のEH症例の多くは開胸術もしくは胸腔鏡下肺生検を行っている.今回,我々はhigh-resolution CT(HRCT)での責任気管支の同定を行いCTガイド下に気管支鏡肺生検を施行した.上記の検査方法は患者への侵襲を少なくし診断率を上げるために有効であると考える.
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© 2010 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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