気管支学
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右肺上葉気管支周囲の狭窄病変に対し自作T型シリコンステントを留置した4例
新納 英樹山本 優宮澤 秀樹能登 啓文谷口 浩和泉 三郎
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2011 年 33 巻 3 号 p. 152-157

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抄録

背景.中枢気道狭窄に対するステント留置は標準的な治療とされているが,その病態は様々で適切なステント選択に難渋する場合がある.今回我々は悪性病変による右上葉気管支周囲狭窄に自作T型シリコンステントを留置した4例を経験したので報告する.症例.年齢は46歳から76歳で,原発性肺癌3例,喉頭癌の気管支内転移が1例であった.T型ステントは2種類の直型Dumon stent^<TM>を材料とした.主気管支から中間気管支幹用の外径12mmのBD^<TM>を基本に上葉支用の側孔を開けて,上葉支用の外径10〜11mmのBD^<TM>で側枝を作製し4-0 polypropyleneで縫合接合した.硬性鏡下に狭窄の解除を可及的に行った後にステントを留置した.結果.留置中および留置後の合併症はなく,全例に自覚症状の改善を認めた.ステント留置後26日から438日で全例が原癌死した.結論.自作T型ステントは右主気管支周囲の狭窄病変に対して,右肺上葉の換気を維持しつつ中下葉への換気が確保される有用な方法である.

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© 2011 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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