気管支学
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気管気管支アミロイドーシスの1例
小山田 吉孝倉田 季代子清水 久実数寄 泰介若木 美佐竹内 健後藤 太一郎加藤 良一
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2012 年 34 巻 1 号 p. 44-49

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抄録

背景.気管気管支アミロイドーシスはまれな疾患で,症状も非特異的であることから,他の呼吸器疾患との鑑別が必ずしも容易ではない.症例.71歳,男性.40歳代から気管支喘息として加療されていた.胆嚢炎にて入院,全身麻酔下に胆嚢摘出術が施行されたが,人工呼吸器からの離脱が困難で当科依頼となった.入院時に解離性大動脈瘤を鑑別するため撮影されていた胸部CT上,気管・気管支壁が石灰化を伴って不整に肥厚していたため気管支鏡を施行した.気管・気管支壁には隆起性病変が多発し,生検によりAL型アミロイドの上皮下への沈着が証明された.他臓器にアミロイドは認められず,多発性骨髄腫も否定されたため気管気管支アミロイドーシスと診断した.結論.気管支喘息と診断された症例でもCTで気道壁の異常が認められた場合には積極的に気管支鏡を施行し,アミロイドーシスを含めた他の疾患を鑑別する必要がある.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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