2015 年 37 巻 2 号 p. 163-167
症例. 49歳男性.幼少期から微熱を繰り返していた.咽頭痛にて近医受診,肺炎と診断され抗菌薬による治療が開始されたが改善が見られず,当院入院となった.胸部CTで右肺S^<10>の浸潤影とB^<10>気管支内腔に小石灰化巣を認め,気管支鏡検査にて右B^<10>bに気管支異物を認めた.全身麻酔下に気管支鏡にて異物摘出を行った.摘出後肺炎像は改善がえられた.詳細な問診にて37年前の空気銃の弾の誤嚥が明らかとなった.結語.今回,肺炎を契機に37年介在していた気管支異物が発見され,気管支鏡下に摘出することで根治しえた1例を経験したので報告する.