気管支学
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偶然の再摂取が診断の契機となった一般用医薬品の防風通聖散による薬剤性肺障害の1例
高倉 裕樹鎌田 勇樹今坂 圭介小室 彰男砂田 幸一清水 邦彦
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2015 年 37 巻 2 号 p. 168-172

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抄録
背景.一般用医薬品の中には医療者にも漢方薬としてほとんど認知されていない製品もある.症例. 49歳男性.主訴は発熱,呼吸困難.ダイエット目的でナイシトール^[○!R]を自ら購入.服用1週間後に発熱.呼吸困難を認め当院紹介受診.胸部CT上びまん性すりガラス影を認め,薬剤性肺障害が疑われた.その後8カ月前に近医で防風通聖散が処方され,服用後に発熱,倦怠感を認めたため服用を自己中断し症状が改善していたことが判明.ナイシトール^[○!R]は防風通聖散が主成分であった.結論.一般用医薬品でも肺障害を来す可能性があることに留意し,薬剤摂取歴とその構成成分を調査する必要がある.
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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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