気管支学
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気腫性肺に対する複数回の手術後に生じた難治性肺瘻に対しEWSが奏功した1例
浅野 久敏尾高 真柴崎 隆正宮澤 知行丸島 秀樹山下 誠神谷 紀輝森川 利昭
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キーワード: 複数回手術, 難治性肺瘻, EWS
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2015 年 37 巻 4 号 p. 399-402

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抄録

背景.気腫性変化を有する肺に対する複数回にわたる手術後に生じた難治性肺瘻は,治療に難渋することが多い.症例. 72歳男性.食道癌と右肺転移に対して開胸手術を2回行った.今回再度右肺下葉に肺転移を認め,手術を施行した.胸腔内に著明な癒着を認め,可及的に癒着剥離を行い,肺部分切除術を施行した.術後から著明な肺瘻を認めた.再手術による合併症発生のリスクを考え,術後3日目にEWSによる気管支充填術を施行した.施行直後より肺瘻は消失した.その後,肺瘻は生じず経過良好で退院した.結論.複数回にわたる手術後に生じた気腫性肺での難治性肺瘻に対して, EWSによる気管支充填術が有効であった症例を経験した.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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