気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
ISSN-L : 0287-2137
気管支結石症による喀血に対して肺葉切除術を行った陳旧性粟粒結核の1例
下田 清美中川 隆行平松 美也子吉田 勤白石 裕治
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 37 巻 4 号 p. 393-398

詳細
抄録

背景.陳旧性粟粒結核に合併した気管支結石症による喀血の報告例は稀である.症例.粟粒結核治療歴のある73歳男性. 2004年から小喀血を繰り返し当院で保存的治療を継続していた. 2010年喀血が頻回・大量となり入院.気管支鏡にて右B^2に気管支結石を認めた.保存的治療では喀血のコントロールがつかず右肺上葉切除術を行った.喀出された粟粒結核の石灰化巣が気管支内に陥頓し,気管支結石症を発症したと考えられた.結語.稀ではあるが陳旧性粟粒結核に気管支結石症が合併して,喀血の原因となりうることを念頭に置くべきである.

著者関連情報
© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top