気管支学
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関節リウマチ治療中に発症した非結核性抗酸菌症に伴う続発性膿気胸に対してEWSを用いて治療した1例
河合 紀和東条 尚
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2015 年 37 巻 4 号 p. 445-449

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抄録

背景.関節リウマチに対する生物学的製剤治療下において,非結核性抗酸菌症合併の報告が増えている.症例.症例は73歳.男性. 2007年から関節リウマチにて近医通院中であった. 2011年に生物学的製剤を導入されてエタネルセプトを開始され,関節症状増悪のために2013年2月トシリズマブへ変更された.同年4月に背部痛を自覚して近医を受診したところ, Mycobacterium intracellulareによる続発性気胸及び膿胸と診断された.胸腔ドレナージ及び化学療法を施行したが,気ろうの改善は認められなかった.そこで, Endobronchial Watanabe Spigotを用いた気管支鏡下気管支充填術を2度施行したところ,気ろうが改善し,胸腔ドレーンが抜去可能となり,膿気胸の改善を認めた.術後再燃なく経過している.結論.関節リウマチに対する生物学的製剤治療下に発症した非結核性抗酸菌症に伴う続発性膿気胸に対して, Endobronchial Watanabe Spigotを用いた内視鏡的気管支充填術が奏効した1例を経験した.

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© 2015 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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