2017 年 39 巻 1 号 p. 43-47
背景.吸引カテーテルの破損による気管支異物の報告は,非常に稀である.症例.82歳,男性.筋萎縮性側索硬化症で長期在宅人工呼吸器管理中であった.受診5日前から発熱を認め抗菌薬を内服したが改善なく緊急入院した.胸部単純CTで中間気管支幹に全長3 cmを越える筒状の構造物がみられ,緊急で気管支鏡検査を施行した.大量の膿性痰と異物を認め摘出した.摘出した異物は口側部分が破損したシリコン製の吸引カテーテルであった.長期間にわたり同じ吸引カテーテルを使用したことが原因と考えられた.結論.長期人工呼吸器装着患者は増加しており,経済的理由などから吸引カテーテルを継続使用している在宅療養例が存在する.長期人工呼吸器管理の場合には,吸引カテーテルの損傷などの合併症に留意が必要である.