2017 年 39 巻 5 号 p. 418-423
背景.超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)はその有効性と安全性が報告されているが,近年,縦隔炎合併例の報告が散見されている.症例.67歳男性.胸部CT上,右下葉結節影と#7縦隔リンパ節腫脹を認め,肺癌を疑い#7縦隔リンパ節よりEBUS-TBNA施行.検査後2日目から発熱を認め,検査後5日目に胸部CT上,#7縦隔リンパ節腫脹とリンパ節周囲の濃度上昇を認め急性縦隔炎と診断.縦隔炎に対して抗菌薬投与を行うも改善なく,検査後8日目に開胸縦隔ドレナージ術を施行し,さらに,約6週間の抗菌薬継続投与を行い症状が改善した.縦隔膿汁からは口腔内常在菌のStreptococcus milleri group(SMG)の1つであるStreptococcus constellatusが検出された.結論.口腔内常在菌のSMG感染によるEBUS-TBNA後に生じた縦隔炎の1例を経験した.壊死を伴うリンパ節を生検する場合や口腔内衛生が不良な症例では,抗菌薬の予防的投与や検査前の口腔ケアの実施が必要と考えられた.