気管支学
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症例
腫瘍による末梢気管支閉塞に対し気管支擦過後に気管支腔内超音波断層法(EBUS)でwithinが得られた1例
濱口 愛栗本 典昭小林 美郷梅本 洵朗白築 陽平谷野 明里堀田 尚誠津端 由佳里濱口 俊一礒部 威
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2019 年 41 巻 5 号 p. 457-462

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抄録

背景.Epidermal growth factor receptor(EGFR)遺伝子変異陽性肺癌で,EGFR-tyrosine kinase inhibitor(EGFR-TKI)使用中に病勢進行(PD)となった際には再生検を行い確実に組織を採取することが重要であるが,気管支鏡下再生検が困難な症例が存在する.症例.47歳,男性.肺腺癌stage IVA,EGFR遺伝子変異陽性(exon 19 deletion)に対してEGFR-TKI使用中に原発巣の増大がありPD.再生検目的にガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS)を実施した.極細径気管支鏡で観察すると,病変入口部は一部白色を呈し閉塞していた.細径気管支鏡へ変更しGSを被せた超音波プローブを挿入すると,病変入口部の閉塞部でそれ以上入らない状態であった.GSを同部位に留置しブラシを挿入すると,透視下にブラシを病巣内へ挿入でき,超音波プローブを再挿入するとwithinとなった.その後GS下に擦過,生検を実施.組織診でadenocarcinoma,EGFR遺伝子変異陽性(exon 19 deletion,exon 20 T790M)であることが判明した.結語.末梢気管支が腫瘍性に閉塞している場合,ブラシで気管支を開通させたのちにEBUS-GSを施行する方法が,確実な組織再生検において有用であった1例を経験した.

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© 2019 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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