背景.乾癬は皮膚に炎症性角化症を来す疾患であり,免疫機構に関連した遺伝子変異の関与が指摘されている.乾癬は全身に合併症を生じうる疾患であり,乾癬に関連して間質性肺炎を生じたとする報告はあるが,関連性は未だ明らかでない.症例.72歳,男性.尋常性乾癬の診断後,生物学的製剤導入前に胸部CTを施行した.右肺下葉に浸潤影を認めたが,細菌性肺炎を疑う所見に乏しく,経過観察の方針とした.1か月後,胸部X線写真で浸潤影が拡大したため,気管支鏡検査を施行し,病理所見,臨床経過と合わせて器質化肺炎と診断した.プレドニゾロン内服による治療を開始し,陰影は著明に改善した.結論.尋常性乾癬に器質化肺炎を合併する可能性がある.さらなる症例の蓄積により,両疾患の関連性や病態の解明が進むことが期待される.