気管支学
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原著
肺膿瘍・感染性肺囊胞の治療におけるEBUS-GSを用いた経気管支ドレナージ
大場 岳彦塚本 香純細谷 龍作藤井 伸哉佐藤 謙二郎矢澤 克昭日下 祐磯貝 進
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2021 年 43 巻 2 号 p. 97-102

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抄録

背景.安全で簡便なドレナージ法がないため,肺膿瘍や感染性肺囊胞の治療では長期間にわたる抗菌薬療法が必要となることが多い.ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(endobronchial ultrasonography and guide sheath;EBUS-GS)を用いた経気管支ドレナージは,肺内感染巣のドレナージに有用である可能性がある.方法.EBUS-GSによる経気管支ドレナージで治療された肺膿瘍または感染性肺囊胞の症例を後方視的に解析した.結果.2016年9月~2020年2月の間に,肺膿瘍4例,感染性肺囊胞3例の計7症例があった.6例で病巣内部へガイドシースを挿入することができ,経気管支ドレナージに成功した.ドレナージされた膿の量は5~50 mlであった.ドレナージ処置後,感染巣は速やかに縮小した.6例中2例で,膿汁培養から嫌気性菌を検出した.結論.肺膿瘍や感染性肺囊胞の治療や原因菌の検索において,EBUS-GSによる経気管支ドレナージは有用であると考えられた.

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© 2021 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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