気管支学
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症例
局所麻酔下胸腔鏡検査にて関節リウマチに関連した続発性AAアミロイドーシスの胸膜病変と診断した1例
土井 郁佳島岡 雄一古塩 純石田 晃沼田 由夏西堀 武明佐伯 敬子佐藤 征二郎篠原 博彦佐藤 和弘
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2023 年 45 巻 5 号 p. 345-351

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抄録

背景.関節リウマチ患者ではしばしば胸水貯留を認めるが,アミロイドーシスが胸水貯留の原因とされる症例は稀である.症例.71歳の女性で,35年前から関節リウマチを発症し長い薬物治療歴がある.4年前から腎機能が悪化し,しだいに呼吸困難を訴え,左大量胸水を指摘され当院に紹介となった.局所麻酔下胸腔鏡検査の結果,壁側胸膜にAAアミロイドの沈着を認め,関節リウマチに関連した続発性AAアミロイドーシスの胸膜病変と診断した.エタネルセプトによる治療を開始したところ,血清アミロイドA蛋白の低下に伴い,胸水の減少と呼吸困難の改善を認めた.結論.関節リウマチ患者に難治性胸水が合併した際には,続発性AAアミロイドーシスも鑑別に挙げ,胸膜生検を施行しアミロイド沈着を検索することが重要である.

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© 2023 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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