気管支学
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症例
気管原発MALTリンパ腫による気道狭窄解除に対して気管支鏡下アルゴンプラズマ凝固法が奏効した1例
山中 美和曽根原 圭石田 由希子小松 雅宙北口 良晃牛木 淳人山本 洋安尾 将法花岡 正幸
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2024 年 46 巻 1 号 p. 43-47

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抄録

背景.気管・気管支内に限局したMALT(mucosa-associated lymphatic tissue)リンパ腫は非常に稀な疾患である.予後は良好と報告されているが,進行した場合,気道狭窄に伴う症状を来すことがあり気管・気管支拡張術が必要となる.症例.75歳,女性.10か月前より持続する労作時呼吸困難を主訴に前医を受診し,胸部CTで気管腫瘍を指摘された.気管腫瘍は気管内腔の80%を占めており,確定診断と気道確保のために気管支鏡下生検とアルゴンプラズマ凝固法(APC)での気管拡張術を行った.病理組織学的診断はMALTリンパ腫であり,FDG-PET,骨髄生検で全身精査を行い,気管原発MALTリンパ腫と診断した.結論.気管支鏡下APCは気道狭窄を来した気管原発MALTリンパ腫の診断目的の生検と気管拡張術として有用である.

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© 2024 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
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