2024 年 46 巻 2 号 p. 96-101
背景.クリプトコックス症は,莢膜を有する酵母であるクリプトコックス属に感染し発症する深在性真菌症である.肺と中枢神経系の感染が多いが喉頭・気管病変は稀である.症例.82歳,女性.X-3年1月にホジキンリンパ腫と診断され,化学療法を行い完全寛解となった.経過観察目的にX年5月に撮影した胸部CTで右肺下葉に結節影が出現し,咳嗽と嗄声も同時期より発症した.血液検査でクリプトコックス・ネオフォルマンス抗原が陽性であり,診断のために気管支鏡検査を施行した.喉頭,気管に白色隆起性病変を確認し,右S6結節,気管の隆起性病変の生検を行った.組織からCryptococcus neoformansが培養陽性となりクリプトコックス症と診断した.フルコナゾールによる治療を行い,嗄声は改善し胸部CTで肺結節影は縮小し,気管支鏡検査で喉頭,気管病変の改善が見られた.結語.免疫抑制状態がない場合でもクリプトコックス症が疑われる場合は,気管支病変や喉頭病変の有無も検索することが重要である.