2024 年 46 巻 5 号 p. 277-281
背景.肺非結核性抗酸菌症患者では様々な合併感染が起こり得るが,嫌気性菌の関与についての報告は乏しい.症例.77歳の男性.約10ヵ月前から肺Mycobacterium avium症,慢性肺アスペルギルス症としてアジスロマイシン,エタンブトール,ボリコナゾールの内服投与中だった.約2ヵ月前から微熱,湿性咳嗽を自覚し,シタフロキサシンが追加されるも改善がなかった.気管支鏡検査を行ったところ,下気道検体の嫌気培養でVeillonella atypicaを検出した.アモキシシリン/クラブラン酸を内服投与したところ症状は著明に改善し,炎症反応も低下した.結論.Veillonella属菌は口腔や腸管に常在する嫌気性グラム陰性球菌であり,呼吸器感染症としては他の嫌気性菌との混合感染が報告されている.肺非結核性抗酸菌症患者における合併感染症として嫌気性菌感染症も鑑別に挙げるべきである.