抄録
肺小細胞癌の進展形式および細胞形態と化学療法に対する治療効果との関係を検討した。有効例は, 気管支の長軸方向への進展を主体とし, リンパ節転移の程度が強く, クロマチン所見は細顆粒状密で核内DNA量が多い傾向がみられた。一方, 無効例は, 深達方向への進展が主体で, リンパ節転移の程度は少なく, クロマチン所見が粗顆粒状密か網状不均等で核内DNA量は少ない傾向がみられた。気管支鏡所見では, 気管支の長軸方向への進展を主体とした例は粘膜下浸潤が, 深達方向への進展を主体とした例は腫瘤形成が多く, 化学療法に無効な例に腫瘤形成が多い傾向がみられた。