ovalbumin(OA)に感作したモルモットより気管鎖を作製し, OAに1時間曝露するとisoproterenol(ISP)に対する反応性が有意に低下することをすでに報告し, また同様の条件で求めたforskolinに対する反応性が低下することも示した。今回は, アナフィラキシー反応がβ受容体に及ぼす影響について検討した。chopped lungをOAに1時間曝露すると, β受容体数には変化を認めなかったが, ISPのβ受容体に対する親和性は低下傾向を示した。総合して考えると, アナフィラキシー反応後のISPに対する反応性低下の原因部位として, β受容体, GTp-regulatory protein, adenylate cyclaseのすべてが関与していることが示唆される。今回認めた現象は, 喘息発作時にβ刺激薬の効果が低下する原因の一部を説明するであろう。