抄録
植物種子は基本的にはHypogeal型かEpigeal型のどちらかの様式で発芽する。以前に, Hypogeal型発芽をするヤブツバキで, 初期生長段階では地下部と地上部とは温度に対して異なる反応を示し, この種子を播種工で用いる場合の施工適期の存在を報告したが, ここでは地上 · 地下部組織の生長のための温度依存性の違いが, Hypogeal型発芽種子全般に当てはまる普遍的な現象である可能性をシラカシ, シャリンバイ, フジを用いて調べた。その結果, 本調査で用いた4種類のHypogeal型発芽種子の発芽後の初期生長で, 主根と茎軸は異なる温度下で異なった生長反応を示し, 13℃という低温下では, 全種子で共通して主根の生長が茎軸に優先していること, つまり, ヤブツバキで見られた現象が他の供試樹種でも見られた。その一方, それぞれの種子には, 主根及び茎軸の異なる生長最適温度があることが確認された。