抄録
横浜市金沢区内の平潟湾野島水路において, 汽水域におけるヨシ原復元をめざしたヨシ苗の植栽実験を1998年に行い, その後の経過を定期的に観測している。実験ヤードは, 波浪の影響を受ける潮間帯上位の砂州に設けた。残存ヨシ原前面の実験ヤード (第1区) では, 生育が困難であった。高さ30 cmの盛土により地盤高を変えた比較実験ヤード (第2区) では良好な生育状況を呈しているが, 位置により状況に差異が認められる。波浪及び潮位変化に伴う水流の影響により実験ヤードに40 cmに及ぶ高低差が生じ, 地盤高が低い部分では, ヨシの生育密度も低いという傾向が現れている。移植したヨシ苗が消滅した領域の中に, 生育状況の良い部分からの地下茎の伸長が見られる所があり, 今後の観測が必要と考えられた。