抄録
日本の緑化技術は, 早期緑化が重要であるため化学肥料を大量に使用している。化学肥料合成のためにエネルーを消費し, その過程で二酸化炭素を排出している。本技術報告では, 緑化現場での二酸化炭素排出の削減を目的とし, 糸状菌の一種であるアーバシュキュラー菌根菌 (arbuscular mycorrhizal fungi) を用いることにより, 化学肥料を削減した緑化工法に関する報告を行う。植生マット工法を用いて, 化学肥料標準区及びAM菌を配合した化学肥料半減区を設け, 施工試験を実施した。その結果, 施工約2~3ヵ月後までは, 標準区で植物の生長が早く且つ植被率も高かった。12ヵ月後, 化学肥料半減区における植生は, 標準区とほぼ等しくなった。それ以降, 施工約40ヵ月後まで, 標準区と化学肥料削減区の植生はほぼ同じである。厚層基材吹付工法 (厚:5 cm) の代替として, 化学肥料を半減したAM菌配合植生マット工法で10万 m2を緑化する場合, 約15 tの二酸化炭素の削減が可能となる。この値はスギの約1,000本の年間吸収量に相当する。