本研究は,ビロードシバの屋根緑化材料としての導入可能性を探るために乾燥ストレス反応,その耐性および乾燥の馴化処理効果をコウライシバと比較したものである。その結果,両種の水ストレス反応には大きな差は認められないものの重度水ストレス処理条件(-1.5MPa)では,若干コウライシバの生体重の減少速度が早かった。またいずれの種も軽度の水ストレス処理(-0.8MPa)によって,後の水ストレス進行を軽減する馴化の効果が認められた。高温域(30/25℃)では約20日間まで両種ともに生存可能であった。なお生体重が当初の1/3程度に減少,また植物体含水率がビロードシバで約50%,コウライシバで約60%に低下する時点が生存臨界点であることが推察された。