2005 年 30 巻 3 号 p. 582-585
森林表土を植生基材の中に容積比10% を混入して施工した全国15 箇所を調査した結果,施工初期の段階で多種の植生が生育しているのが確認された。木本種は先駆樹種が多く成立し,その本数は1m2当たり2 本以上であった。施工現場を関東以西と以北,切土および盛土のり面に大区分した木本種の平均生育本数および出現種類数はいずれも関東以北で多く,森林表土の中に含まれる種子の種類や数,施工のり面の保水性などの相違が原因ではないかと考えられた。1現場で観察された木本種で関東以西と以北で共通に観察された種類の割合は全体の約40% であり,ヌルデ,アカメガシワ,ヤマハギ,タラノキは出現頻度が大きかった。