北海道礼文島の固有種であるマメ科のレブンソウは,環境庁および北海道のレッドデータブックに,それぞれ,「絶滅危惧IA類」,「絶滅危惧種」に指定されている。種子の発芽条件の把握のため温度条件と濃硫酸処理に関する実験を行った。種子は物理的休眠を有しており,無処理種子では10%程度の発芽率であったが,10-40分間の濃硫酸処理によって種皮に亀裂や穴が生じて吸水が可能になり高い発芽率を示すようになった。休眠が打破された種子は,10-30℃の幅広い温度で播種後10日目に71-77%の発芽率を示した。濃硫酸処理を施した種子を5月下旬に播種し,植木鉢に移植してガラス室内で育成したところ,翌年の5月下旬から8月中旬にかけて開花した。