日本緑化工学会誌
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東京湾岸浚渫埋立地におけるクロマツ (Pinus thunbergii Parl.) 群落とトウネズミモチ (Ligustrum lucidum Ait.) 群落の出現要因
飯島 和子佐合 隆一
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2006 年 31 巻 3 号 p. 373-379

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抄録
東京湾岸浚渫埋立地にある24年前開校した学校の校庭に,風散布種子を持つクロマツ (Pinus thunbergii Parl.) の優占する群落 (以下クロマツ群落,Pinus thunbergii community) と鳥散布種子を持つトウネズミモチ (Ligustrum lucidum Ait.) の優占する群落 (以下トウネズミモチ群落,Ligustrum lucidum community) が形成された。これらの群落は二次遷移の草本群落から木本群落への移行過程と考えられる。この校庭には緑化樹木として,クロマツとトウネズミモチが植栽されている。2つの植物群落の形成要因を明らかにするために,それぞれの群落の植生調査,土壌調査,優占種の特性の調査を行った。その結果,クロマツ群落はクロマツ,チガヤをおもな構成種とし,地下水位が低く,窒素,炭素,カリウム含量の少ない土壌であった。トウネズミモチ群落はトウネズミモチ,ヨシをおもな構成種とし,地下水位が高く,窒素,炭素,カリウム含量の多い土壌であった。クロマツの種子は土壌の含水率が少なくても発芽でき,高温条件で発芽し,遮光の生育への影響が大きいなどの特性を持っていたのに対して,トウネズミモチの種子は発芽に土壌の高い含水率が必要であり,暗条件でも発芽率が高く,低温で発芽し,遮光による生育への影響が少ないなどの特性を持っていた。2つの群落はそれぞれの優占種の特性に適した立地条件に形成された。
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© 2006 日本緑化工学会
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