2018 年 67 巻 5 号 p. 480-490
今回公表されたICD-11には,⽣活機能評価に関する補助セクションV(V Supplementary section for functioning assessment)が新設された.これは,2001年5⽉にWHO総会で採択された国際生活機能分類(ICF:International Classification of Functioning, Disability and Health)を基にしており,WHOが作成した国際分類であるWHO国際分類ファミリー(WHO-FIC:WHO-family of international classification)の連動性を高めるとともに,疾病と合わせて生活機能を評価する重要性が強調されたともいえる.
本稿においては,ICD-11に導入された⽣活機能評価に関する補助セクションVの内容を紹介するとともに,この元となったICFの評価ツールとしてこれまでの活用状況を概括した上で,今後の展望をすることとした.
ICD-11の補助セクションVは,ICFの概念に基づいてWHOが開発したWHO-DAS2.0(WHO-Disability Assessment Schedule2.0)とMDS(Model Disability Survey)そして,それ以外の一般的生活機能領域(Generic functioning domains)と呼ばれるICFの付録 9 やICFコアセットプロジェクトの流れから開発された「リハビリテーションセット」を含むICFの重要な要素を抽出した項目群の大きく 3 つから構成される.評価項目としては(詳細不明やその他を除くと)61項目ある.
現在,国内におけるICF概念を用いた研究は,その概念を活用した調査項目や研究内容,そして実践の整理が多いが,ICFの項目や評価ルールを活用した評価ツールの開発,ICFの項目や評価ルールをそのまま用いているICFコアセットやWHO-DAS2.0を活用した研究も散見されるようになってきている.
WHOは今後,医療や介護,福祉を含むヘルスケア分野のさまざまなビックデータをWHO-FIC(ICD,ICF,ICHI等)元にマッピングし,世界の保健情報システムの構築推進に向けた施策を展開する予定であり,わが国においても,2020年に向けICF項目を活用したデータの収集方法や集められたデータの他データとリンケージする方法,そして収集されたデータをどのように実践へ活用するかといったことに関する研究の蓄積が早急に求められる.