2007 年 33 巻 1 号 p. 183-186
奄美大島島内の林道のり面で,土壌シードバンクを利用した植生基材吹付工を施工した。島内のオキナワジイ林から採取した森林表土を植生基材に20 %配合し,切土のり面に厚さ3 cmで吹き付けた。施工後1年4カ月目には,オオアブラガヤ,ススキが優占する中にアカメガシワ,カラスザンショウ等24種の木本類が散生する草本群落が成立した。このときの植被率は40 %,生育密度は51 本/m2で,このうち27 本/m2が木本類であった。また表土の発芽試験では,7.2 Lの試料から82個の幼植物が発芽した。