抄録
湘南海岸の新たに植生が定着した砂浜において,地形の変化及び植生の定着過程について調査を行った。対象地では汀線の前進,比高の上昇によって,波浪による攪乱が軽減され,植生の被覆面積が増加したことが示唆された。また7種の海浜植物の定着が確認されたが,長期間の海流散布が困難なオニシバなどの定着は確認されなかった。このことから,対象地では長期間の海流散布が困難な種の供給ポテンシャルが低いと推察された。更に植生と地形の関係について選好度指数を用いて解析したところ,出現種によって波浪強度が異なる立地を選好していた。以上のことから,人工養浜の際には,波浪強度が異なる立地環境を形成することが,海浜植生の定着において重要であると考えられた。