抄録
北総台地上に位置する湧水地,こんぶくろ池は都市域の中にありながら,希少な湿生植物の千葉県における貴重な生育地となっている。本研究はこんぶくろ池周辺に生育しているズミ(Malus Sieboldii Rehd.)の生育状態を環境条件とあわせて調査することで現状を把握し,今後の保全方法を導くことを目的とした。ズミは樹高150cm以上で着花が見られたが,着花量が多かったのは林冠空隙率10%以上の所だった。結果率は低く,着花個体の半分以上で結果が見られず、3/4は結果率5%以下だった。実生の発生数も少なかったが、その成立立地の多くはリターに覆われない裸地だった。今後ズミを保全していくために,植生管理や実生更新サイトのための人為的な攪乱等の保全策をとっていくことが必要と考えられた。