抄録
神奈川県東部の柏尾川に生育する絶滅危惧植物ミズキンバイについて,1998~2006年の隔年で分布状況の調査を行った。その結果,概ね25~55個の地域個体群が確認され,調査年の総被覆面積は1,000~1,750 m2,平均約1,500 m2であり,期間中,概ね安定して生育していた。大部分は河川域に分布したが,2002年以降は隣接する遊水地への定着とその規模拡大が特徴的であった。本種は個々の地域個体群の形成・増減・消失を繰り返しながら,河川内で位置を変えつつ少数の大規模な個体群と多数の小規模な個体群によってメタ個体群を維持していることが明らかになった。また,区間毎の生育量と河川構造の関係を解析した結果,広い河川幅や橋脚の存在が正に関与していることが示唆された。