抄録
林野火災跡地復旧のため治山事業により植栽された樹種を対象に,土壌緊縛作用に関する指標として根の引抜抵抗力を評価した。その結果,全樹種において,引抜抵抗力は時間の経過により変動を伴いながら増加しピーク後を迎えた後,急激または徐々に減少しゼロとなるような傾向がみられたが,樹種による明確な差異は確認できなかった。また,全樹種で根直径と最大引抜抵抗力には正の相関があり累乗関数で近似できたが,一定の直径を超えると樹種による差が生じる傾向にあった。さらに,斜面方向別の根系量分布比および立木ごとの全体引抜抵抗力推計では,樹種による特徴が確認された。このような樹種による差異をもとに,目標林型と植生遷移を考慮したうえで,樹種の組み合わせや植栽方法が採用されるべきである。