マユミ(Euonymus sieboldianus Blume)種子の長期貯蔵には低温湿潤条件下に置くのが有効と考えられているが,湿潤条件では腐敗しやすい。そこで,含水率を21.3 %に落として低温貯蔵したところ,発芽率が低下した。発芽率低下の原因に二次休眠が考えられたため,乾燥種子に対して低温(0±1℃)や暖温(25℃ 8時間と15℃ 16時間の変温)湿層処理,ジベレリン(GA3)処理を行った。その結果,低温湿層処理3ヶ月間とジベレリン処理の組み合わせで発芽率が高まった。各処理単用や低温湿層処理2ヶ月間とジベレリン処理の組み合わせでは効果が低く,暖温湿層処理の組み合わせ効果も認められなかった。また,ジベレリン処理濃度は100 ppmおよび500 ppm に対し,1,000 ppmで発芽促進効果が著しかった。